カイロこまば通信 第13回
【2007.05.14 発行】
テーマ:膝の痛み…腰・骨盤からバランスを見直しましょう!
先日、「数年前に膝が痛くて歩けなかった時にカイロプラクティックで腰を治療してもらってよくなった」という患者さんがまた膝が痛くなったから診てほしいということで来院されました。膝の痛みには腰・骨盤が関わるということを理解して頂けていることがとても嬉しく、「階段を上るのは何とかなるけど下りるのがダメ。翌日の仕事に影響するので何とかしてほしい。」という要望に沿えるよう誠心誠意治療させて頂きました(当院が階段を上った2階なので、治療後に下りれないなんてことになったら洒落にならないぞ!という思いもありまして…)。
検査では、腰・骨盤のバランスが悪く、片側の膝、更には足関節にも問題が認められました(足の機能的な問題から腰・骨盤のバランスが崩れることもありますので、どちらからというのは難しいです)。体重を両足にバランスよく配分できていない状態が徐々に膝に疲労を蓄積させ、(ぶつけた訳ではなく)ちょっとしたねじれを伴う負荷が加わったことで痛みが生じたと思われます。治療後は、少々痛みが残るものの、階段を問題なく下りれるようになりました。翌日には痛みも取れ、仕事も大丈夫だったそうです。
この患者さんの場合、痛みが出て早い段階で来院して頂けたこと、普段からとてもよく歩いている(膝を安定させる筋肉・靭帯が常に刺激されることで、強い、回復しやすい組織となります。もっともバランスの良い状態で歩かれるに越した事はありませんが…)ことが、慢性的な症状に移行することなく症状を改善出来たポイントだったと思います。
膝は大きく3つの関節から構成されていますが、関節自体が大きな動きを可能とする浅い構造となっており、それを靭帯や筋肉が覆うように取り囲んで安定させています。歩くための自由度をもたせてある反面、不安定な構造と言え、本来の動きを損なうような負荷が加わった場合は脆く、靭帯の損傷を伴うこともあります(特にスポーツ選手の場合が多いですね)。年配の方の場合は、安定性を保っている組織が弱くなり、日常的に加わる負荷が蓄積されることで加齢に伴う変性が助長され、関節軟骨に問題が生じてきます。
でも、ちょっと考えてみてください。あなたの膝の痛みは両側ですか?片側だけということはありませんか? 片側だけとか片側が強く(片側の痛みを代償するように反対側に負荷が加わり、徐々に両膝痛くなることも…)という方は、骨盤のバランスが崩れ、膝にかかる負荷に左右差が出ているのかもしれません。かかる負荷に差があれば、痛みに偏りが出るのも道理です。骨盤のバランスを整えること、膝の前面・背面・外側面・内側面に付着する筋の筋力を整えること(どこかが弱くなれば反対は過緊張を起こし、安定性を損ないます)、地面と接触する足の機能を整えることが大切なのです(膝や足を支配する神経の働きを改善するため、腰への治療も大切なポイントです)。
今ある痛みを改善させることも大切ですが、痛みを引き起こすバランスを改善させることも同じか、それ以上に大切です(将来のことを考えて!!)。また、普段からよく歩くことで筋肉や靭帯が弱化しないよう刺激を与えてあげることも重要です。カイロプラクティックは、姿勢チェックを検査項目の一つとし、全身のバランスを見て行きます。また、問題のある関節の機能を回復させることを目標とします。痛みで歩けない…となると悪循環にはまり込んでしまいますよね。そうならないよう、一度バランスを含めてチェックされてみては如何でしょうか。
※この患者さんの詳しい症例報告があります。こちらから→膝の痛み 2
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