カイロこまば通信 第18回
【2007.07.23 発行】
テーマ:慢性の頭痛ならカイロプラクティックを試してみて!
第11回でも書いたのですが、頭痛でお悩みの方は比較的多く、特に15歳から44歳の年齢層の女性では気になる症状の第3位或いは4位にあがるほどです(厚生労働省統計表データベースシステム『性・年齢階級別にみた有訴者率の上位5症状(平成16年)』より)。といっても男性で悩まれている方も多く、種類によっては男性に好発する頭痛もあります。血管性の頭痛もあれば、筋肉が緊張して起こる頭痛もあります。月に何回とか、特定の季節に集中してといった周期的なものもありますし、目がチカチカするといった前兆があったり、吐き気を伴ったりするものもあります。頭痛には様々な種類があるのです。
もちろん種類によって原因は異なりますので、「慢性の頭痛なら何でもカイロプラクティックでよくなります!」などとは決して言いません。慢性頭痛の一つである群発頭痛(バットで殴られたような耐え難い痛みが1時間ほど続く、血管性の頭痛…1万人に1人程度と悩まれている方は少ない頭痛ではありますが、慢性頭痛で最も痛みの強い頭痛です。若い男性に好発します…)はカイロプラクティックでの改善は望めません。若い女性に多い片頭痛(よく偏頭痛と書かれますが、医学用語としては片頭痛が正しいです。成人の8%ほどに見られます。多いですよね…)も、原因はまだ明確になっていませんが、頭部にある血管が拡張(三叉神経が刺激されて炎症を起こし、そこから放出される痛み物質が血管を拡張させる等諸説あり…)することで起こる血管性の頭痛です。
「じゃあ、血管性の頭痛だから群発頭痛のようにカイロプラクティックでは効果が無いの?」と思われるかもしれませんが、片頭痛の場合は少し違います。確かにカイロプラクティックに反応しない純粋に血管性の片頭痛もあります。ただ、頚椎の機能障害から起こる頚椎原生頭痛も片頭痛様の症状を引き起こすことがあるのです。頚椎の機能障害が自律神経(血管の収縮は交感神経が、血管の拡張は副交感神経が働きます)のバランスを崩すことで頭部に行く椎骨動脈に影響し、血管性頭痛の症状を引き起こします。頚椎から来る頭痛ですから、こちらはカイロプラクティックの適応です。頚椎の機能障害を改善し、自律神経の働きを整えることで頭痛の起こる頻度を減らして行きます。
また、カイロプラクティック治療を続けて行く上で一つの指標になるものが、薬を必要とする回数だと思います。これは頚椎の問題で生じる片頭痛だけでなく頭痛全般において言えることですが、カイロプラクティック治療によって頭痛が軽減し、薬を飲む回数を減らすことができるならば身体にとって望ましいと言えるのではないでしょうか(どんな薬にも副作用はあります。根本的な改善のためでなく痛みを抑えることが目的の薬であれば、減らした方が良いと思います…)。ただ、この頭痛の認知度は低く、病院では片頭痛を首からの問題と診断されることはほとんどないと思います。消炎鎮痛薬か血管の拡張を抑制する薬が処方され、薬を常備して痛みにそなえるという日常生活になるかと思います(頚椎が関わっている片頭痛であれば、そちらの問題にアプローチすべきだと思うのですが…)。
頭痛持ちと言われる方の多くが悩む慢性頭痛にはもう一つあります。それが、緊張型頭痛です。この頭痛は首・肩の筋肉に過度に負担がかかり、筋疲労を起こすことで生じます。こちらも頚椎が大きく関わっており、例えば…とお話して行きたいのですが、スペースの都合上今回はここまでとさせて頂きます(やっぱり3回シリーズになってしまいました…)。ただ、最後に付け加えておきますと緊張型頭痛はカイロプラクティックによく反応します。だからこそ、慢性の頭痛であればカイロプラクティックを試してみて頂きたいのです。
※バックナンバー一覧はこちら↓