『呼吸に関するお話の続きです…』
【カイロこまば通信】

カイロこまば通信は、2006年11月から当院入口で配布してきたニュースレターです。様々なテーマで健康情報を発信していますので、ぜひご覧ください。順次掲載して行きます!

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テーマ:呼吸に関するお話の続きです…

前回に引き続き、呼吸についてのお話です。前回は呼吸の生理作用を加えながらの導入編といった内容だったのですが、今回は各論です。前回の最後に書いた3点にまとめてお話します。

1.呼吸の異常パターンはどのようなものなのか。

本来の正常な呼吸パターンは、呼吸運動が腹部から生じます(横隔膜がしっかりと働くことで…)。息を吸い込むのに合わせて腹部、更には下部胸郭が膨らみ(前後方向だけでなく、水平面に広く…)、より多くの酸素を肺全体に行き渡らせます。とはいえ、呼吸運動が腹部からではなく胸部から生じるパターン(胸式呼吸)や、更にひどいと息を吸うときに逆に腹部が引っ込んでしまうパターン(奇異呼吸)もあるのです。安静時に息を吸う度に肩が持ち上がる方は胸式呼吸や奇異呼吸かもしれません。

呼吸運動の主動筋は横隔膜。収縮することで下にさがり、肺内の圧力を低下させて多くの外気を取り込みます。この動きに伴って下部胸郭が膨らむのです。吸気の最終段階では上部僧帽筋や斜角筋といった首や肩にある筋肉が上位肋骨を持ち上げます(より多くの外気を取り込むことが可能となります…)。横隔膜の機能が一時的であれ低下すると、首・肩の筋肉が過度に働いて胸郭を持ち上げる方法が習慣化し、それが脳に記憶されて通常の呼吸パターンとなってしまうことがあるのです(他の要因もありますが…)

2.肩こりや首・背中の痛みにどのように関わっているのか。

上部僧帽筋や斜角筋といった首・肩にある筋肉の過活動から生じる筋疲労や下部肋骨の可動性低下は、凝りや痛みの原因になると考えられます。でも、これだけが問題ではありません。呼吸に関わる筋肉は呼吸のためだけにあるのではなく、姿勢を維持する筋肉でもあります。動作に伴う姿勢保持といった本来の作用を維持しながら呼吸活動を行うことが求められるのです。筋肉が機能低下している場合、呼吸活動が優位になることで姿勢の安定性が失われてしまうことが起こり得ます。有酸素運動をしている際に腰や背中の安定性が失われ、不意の動作に耐えられずにぎっくり腰が…といったケースも考えられるのです。

3.カイロプラクティックではどのように呼吸パターンを変化させて行くのか。

まず前提ですが、全ての患者さんの呼吸パターンをチェックして、異常パターンが認められれば調整するという訳ではありません。肩こりや背中の痛みといった症状の戻りが頻繁に見られ、息を吸うときに胸郭を持ち上げているような患者さんに対して、既往症との兼ね合いを考慮しながら指導します(血中phへの影響を考えると…)

アプローチ方法を大まかに説明すると、背骨、骨盤、肋骨といった骨格、更には上部僧帽筋や斜角筋、横隔膜、肋間筋といった筋肉に関わる機能障害を取り除いて行きます。とはいえ、呼吸パターンは脳で記憶されているものですから、簡単に変えられるものではありません。機能的な問題を取り除いて、その後にエクササイズを通じて正しいパターンを反復してもらうことが大切なのです(そして、これが大変なのです…)

エクササイズのポイントを少しご紹介すると、静かでゆっくりとした呼吸で動きのない下部胸郭を膨らませるように息を吸い込んだり(始めは出来なくても意識することが大切…)、エクササイズ中は吸気よりも呼気を長くしてもらうことをお願いします。それと、エクササイズに伴って身体に何らかの変化が生じていないかをチェックすることも大切です(めまいや胸部痛が強まるようであれば中止すべきです…)

最後になりますが、呼吸パターンを変化させることは簡単なことではありません。でも、呼吸は生命活動の基本ですから、その活動を修正することの意義は大きいと思います。カイロプラクティックだから呼吸活動を変化させられるという訳ではありませんが、興味のある方は一度ご相談ください。

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