カイロこまば通信 第82回
【2011.11.28 発行】
テーマ:偏った食習慣…改めてみる価値はあるのでは?
今回は「偏った食習慣を改めるのも慢性症状を改善させる手の一つです…」というお話です。
例えば、"ついつい甘いものを食べてしまう…"という習慣があったりしませんか? 東洋医学では、甘いものは脾(胃)の働きに関係があるとされています(専門ではないので詳しくは説明できないのですが…)。五臓六腑という言葉を聞かれたことがあると思うのですが、脾はその一つで食べ物を消化吸収する働き全般を指しています。他には心、肺、腎、肝があり、それぞれに働きがあり、それぞれが相互に影響し合っていると考えます(脾の働きが落ちると食べ物から栄養〔東洋医学でいう気・血・津液を作り出すもと…〕を吸収することが出来なくなるが、気や血を全身に送る肝の働きが落ちて脾に気や血が回ってこなくなったことが働けなくなった原因かもしれない…等々)。
なぜ五臓が腰痛といった身体の痛みに関連するかと言うと、気・血・津液といったものの過不足が熱を産んだり、滞ったりすることで引き起こされる症状に痛みやだるさがあるという側面と、各臓腑に対応したルート(経絡:脾経、腎経、肝経…)に応じて症状が出やすいといった側面からです。ちなみに、五臓に対応する味は、肝が酸っぱい、心が苦い、脾が甘い、肺が辛い、腎が鹹い(塩辛い)です。これらは五臓が変調した時に好む味ですが、過度の摂取は害になります。甘いものを食べ過ぎると消化器系に、塩分が多くなると泌尿器系に負担がかかるのは西洋医学も同じです。西洋医学ですとそれが腰痛などに直結することはないのですが、東洋医学では結びつくそうです。
カイロプラクティックではどうかというと、本流としては結びつかないのですが、アプライド・キネシオロジーというテクニックでは全身性のコンディションに関わる項目として内蔵機能についても触れています。ただ、基本は同じです。甘いものを食べるという点から血糖値に関わるところを紹介すると、膵臓や副腎の機能低下に着目しています。
炭水化物を過剰に摂取すると急激に血糖値が上がり、追うように膵臓からインシュリンが放出されます。すると今度は血糖値が急激に下がります(それにあわせて副腎ホルモンの糖質コルチコイドが放出されます…)。摂取者は低血糖状態になり、疲労感やイライラを感じ出し、反動で糖分をまた摂ろうとします。それが悪循環になって行くのです。
特に、精製されたものは必要なビタミンやミネラルが取り払われているので、その悪循環にはまり込むリスクを高めます。膵臓が疲弊すると副腎に負荷がかかり、結果副腎も疲弊する…その結果、副腎の他の作用に影響し、ミネラルバランスが崩れたり、女性の場合は女性ホルモンとの兼ね合いも出てきます。まさに全身のコンディションに波及し、内臓の問題だけでなく、筋骨格系の症状にも関わってくるのです。
偏った食事がもたらす影響は広範囲です。"まさかそれが関係していたとは…"と思うような症状に関わっているかもしれません。私も自宅で家事とかをしていると、ついつい甘いものを食べたくなってしまいます。ただ、最近胃腸の調子や寝起きの腰痛が気になるので、しばらく止めています。そうするとまず便の調子がよくなってきました(寝起きの腰痛はまだありますが、エクササイズを組み込んでいることもあって軽減しています…エクササイズ効果?)。もちろんすぐに変わってくるものではないですし、それが必ず変化をもたらすとも言えません。でも、『身体に悪いと思っていてもついつい食べてしまう…』といった偏った食習慣は、内臓からの声なのかもしれません。これを読んで頂いたことをきっかけに、例えば一ヶ月それを改めてみてはどうでしょうか…。胃腸や肌の調子が変わってくるかもしれませんし、慢性的な肩こりや腰痛に良い効果がでてくるかもしれません。試してみないと何ともいえない手ではありますが、自分の力でできる方法です。試す価値はあると思うのですが、如何でしょうか。
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