『呼吸に伴う骨盤の動き…』
【カイロこまば通信】

カイロこまば通信は、2006年11月から当院入口で配布してきたニュースレターです。様々なテーマで健康情報を発信していますので、ぜひご覧ください。順次掲載して行きます!

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テーマ:呼吸に伴う骨盤の動き…

頭蓋と骨盤は、呼吸に合わせて連動して動きます。これまでのカイロこまば通信でもこの動きについてお話してきましたが、頭蓋を中心にしたものが多かったので、今回は骨盤を中心に紹介します。

記念すべき100回目は、カイロプラクティックが重視する骨盤について、特に呼吸に伴う運動についてお話します。

前回シリーズの「首こり・ストレートネックの問題点」で頭蓋・頚椎の動きが骨盤の動きに影響すると書いたわりに説明が不十分だったかな…といった思いもあり、今回のテーマにしてみました。ちなみに、カイロプラクティックやオステオパシーといった手技療法ではこのような動きがあると考えますが、西洋医学にはこのような考え方はありません。また、今回紹介する内容はアプライド・キネシオロジー(以下、AK…)に則った動きでして、オステオパシーだとまた違った捉え方をしているかもしれません(参考まで…)

今までにも呼吸に伴う頭蓋骨の動きを紹介してきましたが、吸気や呼気に応じてわずかではありますが、動きます。その動きに同調して仙骨・尾骨、更には仙骨の両側に位置する寛骨(一般的には"こしぼね"と言われるところです…)も動いています。その連動した動きを作っているものが脊髄硬膜(背骨の中を通る脊髄を覆う硬い膜です…)ですが、連動して動くことで、硬膜内の脳脊髄液が循環されるという考え方です。

もう少し詳しく骨盤における呼吸性の運動を紹介して行きます。まずは仙骨です(尾骨も同期をとって動きますが、今回は省略…)。仙骨は、骨盤の中心にある逆三角形の形をした骨で、歩行や体幹の動きに合わせてうなずく様な動きをします。吸気では仙骨上部が後ろ、下部が前に動き、呼気では逆になります(呼気:仙骨上部が前に、下部が後ろに…)。この動きが減っている場合は、その呼吸期に合わせて仙骨の動きをサポートするよう押圧を加える必要があります。AKでは、この問題を見つけるために通常の筋力検査に呼吸の要素を加えます。そうすることで、この問題が浮かび上がってくるのです。

次に、仙骨の両外側にある寛骨(腸骨・恥骨・坐骨の3つの骨が成長に伴い癒合してひとつの骨になることで呼ばれる名称…)についてですが、寛骨は吸気で外側に広がり、呼気で内側に閉じます。ちなみに、吸気は横隔膜が収縮する(弛緩して山なりになっている筋肉が収縮してフラットになるイメージです…)ことで肺が膨らんで腹腔内の内臓は下方に押し付けられます。逆に呼気は横隔膜が弛緩する(フラットから山なりに戻るイメージです…)ことで腹腔内に余裕ができ、内蔵を上方に上げやすくなります。寛骨の呼吸による動きもこの方向に沿っていますので、仙腸関節(仙骨と寛骨の間にある関節…)に機能障害があれば改善するべきですし、呼吸の要素を加えて調整した方が良い場合もあります。更には、腹筋群や骨盤底筋群も横隔膜の動きに関わってきますから、これらをトータルに考えて施術したりエクササイズとしてお願いしたりといったことが必要となるのです。
※横隔膜の記述を一部修正しました。

もちろん、呼吸に応じて動くといっても、ほんの少しの動きでしかありません。一般的なカイロプラクティックでは、このような点は意識しないと思います。ただ、これは当院にいらして頂いた患者さんであれば実感してもらえている方が多いと思うのですが、呼吸を加えると筋力が変化する(弱い筋肉の筋力が改善する、本来強い筋肉に弱化がでる…)ことは多く、頭蓋や骨盤にアプローチするとその変化は出なくなります(必ずではないですが…)。AKだからこその検査法なのですが、呼吸という要素が頭蓋と骨盤という身体上下の重要な部分の連動に関わっているからこそ、ほんの少しの動きをチェックしてそれを利用することで、より良い効果を生み出すことができるのです。

最後になりますが、一番の問題点は頭蓋と骨盤が連動して動けないと、片方の機能障害を改善させてもまた戻ってしまう可能性があるということです。例えば、仰向けで頭蓋を調整しても、立って歩くことによって頭蓋の機能障害が戻ってきてしまうといったケースです。合わせて骨盤も調整していかないと十分な効果は得られません。逆もまた同様です(頭蓋や頚部に機能障害が残っていると、姿勢に関わる反射から、骨盤の機能障害を引き戻してしまうことも…)。だからこそ、全身を調整して行くことが大切なのです。

カイロこまば通信vol100のイメージ画像

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