『カイロプラクティックはなぜ背骨に注目するのか…』
【カイロこまば通信】

カイロこまば通信は、2006年11月から当院入口で配布してきたニュースレターです。様々なテーマで健康情報を発信していますので、ぜひご覧ください。順次掲載して行きます!

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テーマ:カイロプラクティックはなぜ背骨に注目するのか…

さて、カイロこまば通信も年内あと2回なので、その2回を使って原点に戻りカイロプラクティックについて、それもなぜ背骨に注目するのかについて、普段とは違う視点からお話したいと思います。

というのは、背骨をメンテナンスすることがどうして大切なのかというところを意識して頂きたいという思いからです。

その理由を私なりに一言でいうと、「QOL(生活の質)をキープするため」です。具体的には、年配の方であれば、例えばスポーツができる、旅行にいける、お孫さんと遊べるといった今出来ていることを長く続けて頂くためということです。ただ、なぜ背骨なのか…、なぜカイロプラクティックなのか…というところが分からないと思いますので、少し歴史を紐解きながら、説明したいと思います。

1895年にアメリカでD.D.パーマーによってカイロプラクティックが誕生しましたが、彼は脊椎(背骨…)の障害が神経障害を引き起こして病の根源になると説き、椎間関節へのマニピュレーション(手技…)を、それを改善させる手法として体系化しました。基本的な考えかたは、背骨(脊髄を保護したり末梢神経の出口となります…)の特定の分節での機能障害が、脳から身体の隅々への遠心性の伝達、隅々から脳への求心性の伝達といったサイクルを損ない、健康状態から病気に傾かせてしまうというものです。

これは20世紀前半の考え方ではありますが、今でも概念としては同じです。ただ、今ではマニピュレーションが関節の神経受容器(刺激を感知する部分です…)を刺激することで、筋肉を動かそうとする脊髄反射が起こったり(反射弓…)へ刺激を伝達して反応を引き起こしたりといった神経作用が働くことで痛みの軽減や筋緊張の緩和がなされ、これに自律神経(内臓等の制御など…)も関わることで様々な効果が引き起こされると考えられています(ざっくりですが…)

関節・皮膚・筋肉と脳・脊髄との間での神経伝達をイメージしたイラスト

昨今は、機能神経学(カイロプラクティック神経学とも言います…)の発達もあって、人間の神経システムは受容ベース、つまり関節などからの求心性刺激が脳に伝わってボトムアップの方向で構築されることが分かってきました。それにより、マニピュレーションの効果を脳まで含めた神経システム全体として捉える理論が主流になってきました。特定の分節に生じた機能障害によって、椎間関節にある関節受容体からの求心性の刺激が片側で遮断されると(椎間関節だけが重要というではないですが…)、左右の脳に伝わる神経情報に偏りが生じて中枢神経系の機能を低下させ、脳幹部や小脳、更には大脳を含んだ神経システムの統合が左右バランスをとれた形でなされなくなるという考えかたです(片側の神経ルートの機能低下といった状態になります…)。小脳や中脳といった姿勢制御に影響して筋過緊張や姿勢の崩れを引き起こしたり、自律神経への作用から内臓の働きに影響したり、痛みの抑制作用を低下させたりといった問題が引き起こされ、症状の慢性化につながる可能性があるのです。

もちろん、左右の脳の偏りは背骨の問題以外にも様々な要因で引き起こされます。普段の食生活での栄養バランスの乱れ、ストレスからのホルモンバランスの崩れといった要因も神経系の偏りを生じさせます。ただ、左右の脳の偏りが筋骨格のバランスを崩すことで身体各部の症状を引き起こしますし、逆に骨折や不良姿勢といった筋骨格のアンバランスが上行する神経情報の左右差を引き起こし、脳の偏りを引き起こすこともあります。

逆にとらえると、神経刺激は筋肉や関節から脳に常に伝えられる情報ですから、それらを調整することで中枢神経系に良い影響を与えることができるということでもあります。背骨は末梢神経や一部の自律神経の出口でもありますし、脊髄の入れ物でもあります。だからこそ、神経系を調整する際の外せないポイントと考えているのです。

まだ話の途中ですが、今回はここまで。何となく背骨の大切さを感じて頂けたでしょうか。次号に続きます。

カイロこまば通信vol106のイメージ画像

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