症例のポイント:膝関節は不安定な関節なので、膝関節や股関節に関わる筋肉をチェックすることが第一歩です。
このような患者さんでした
30代女性。
症状
- 1ヶ月前に重いものを持った際に膝に違和感が出て、その後何時間かで改善。数日前にまた重いものを持った際に違和感が出てきて、その後ずっと残っている。
- 歩いたり、ずっと立っていると膝の前・後面に痛みが出てくる。
- 患側(症状のある側)と反対の腰が2~3ヶ月前から腫れぼったい。
経過
この患者さんの場合、膝蓋骨(一般的にお皿と言われます)付近に強い圧痛があって膝の問題が疑われましたが、膝を動かした際にも患側の膝蓋骨の動きに動揺が認められたことから、腰部・骨盤、更には足からの問題も考慮してバランスを整えるよう調整しました。
初回後に少し痛みが出たそうですが、翌日には気にならなくなったとのことでした。2回目の検査では膝蓋骨の動きの動揺性は改善されていましたが、股関節からの動きに問題が残るため、エクササイズを指導し、継続的にバランスを整えるよう調整しました。
5回目来院時には膝はほとんど気にならず、「ほんとに少し痛みが出る程度」とのことでした。その後、腰痛が出て来院された際に再度膝の確認を行ったのですが、問題は認められませんでした。
コメント
膝には立位時に体重の半分の荷重がかかりますが、構造的に不安定な関節と言えます。膝の安定には膝に付着する各種靭帯が大きな役割を果たしていますが、筋肉もまた大切な役割を果たしています。膝に付着する筋肉は股関節や足関節をまたぐ筋肉も多く、骨盤や足のバランスが崩れると影響されやすいと言えます。膝の痛みの際は、膝にとらわれず、広範囲から影響を判断して行くことが大切です。
また、この患者さんのようにカイロによる調整後に一時的に痛みが出ることもあります。カイロプラクティックは身体の反応を引き出すことでバランスの悪さに変化をもたらします。それに伴って今まで働いていなかった部分にも影響が出ますので、一時的に痛みが出ることがあります。その痛みが悪いものなのか、それとも良いものなのか、それを判断するためにも、当院では2回目の来院を重視しています。
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