症例のポイント:頭痛薬に頼らなくても良い生活を送れるよう、様々な視点からチェックして行きます。頭蓋骨もその一つです。
このような患者さんでした
40代女性。
症状
- 身体全体の調子の悪さ(身体のあちこちがくるしい…疲れやすい…頭痛や奥歯の痛みがでる…)で来院。
- 歯の治療はしたが、その後も痛みが続いている。
- 頭痛・歯痛は市販の一般的な頭痛薬では効かず、強い頭痛薬を飲んでやっとおさまる。
- 首と肩にくるしいほどのこりがある。
経過
頭痛はこめかみから後頭部まで広く出ており、その関連として奥歯に痛みが出ているようでした。
屈む姿勢がつらい…膝を曲げようとするとガクっとなる…といった症状もあったのですが、身体のあちこちがくるしい…疲れやすい…といった点も含めて、まずは身体全体のバランスを整えること、全身に影響を及ぼしやすい頭蓋骨及び頚部を調整することが必要と判断。呼吸を加えた筋力検査(頭蓋の機能障害と関わります…)、頚肩部の可動性や筋緊張のチェック、骨盤のバランスなどを確認し、認められた問題に対してカイロプラクティックによる調整を行いました。
2回目来院時に伺ったところ、「全身症状にそれほど変化はないが、頭痛はなかった」とのことでした。これから忙しくなるとのことで頭痛の再発が懸念されたのですが、3回目来院時も頭痛・歯痛は出なかったとのことで、良い状態がキープされているようでした。5回目来院時には全身の疲れも大丈夫になっており、たまに頭痛や奥歯の痛みがでても薬を飲む必要がないレベルまで改善しました。ただ、頚肩部のこりは残っており、こちらはなかなか変化が出ません。患者様のご都合もあり結果6回の来院で終了となったのですが、頭痛・歯痛が出ると薬に頼るしかなかったのに、薬を飲まなくてよくなったことをとても喜んで頂けました。
コメント
頭痛は痛みの質を確認することが重要で、この方の場合は緊張型頭痛(主には首・肩の筋肉の過緊張から生じる頭痛…)が疑われ、頚肩部のこりを改善させることがポイントと思えました。ただ、奥歯の痛みや全身の調子の悪さといった症状から頭蓋骨の問題も疑われ、頚肩だけでなくこちらにもアプローチしたことが、良好な結果につながったと言えます。
頭蓋骨の問題は全身のバランスに影響します。一方、全身のバランスの悪さが頭蓋骨の機能障害を引き起こすこともあります。なぜ全身のバランスと関連があるかと言うと、頭蓋骨と骨盤が脊髄硬膜を介して呼吸に合わせて連動して動くからです(当院で頭蓋骨の調整に用いるアプライド・キネシオロジーの手法での考え方ですが…)。どの要素(頭蓋骨、骨盤、脊髄、呼吸…)も体調全般に関わりますから、全身の疲れやだるさといった症状はこれらのポイントを含めてケアすることが求められるのです。
患者さんが肩こりに伴う頭痛を訴えている場合、まず緊張型頭痛を疑います。とはいえ、関節の問題から生じる頭痛(頚椎原生頭痛…)や頭蓋骨から生じる頭痛もありますから、多面的な視点でチェックすることが大切ですし、全身を評価した上で様々なアプローチを組み合わせて調整することが必要となります。
とはいえ、カイロプラクティックで改善しない頭痛もあります。その判断は難しいのですが、"慢性の頭痛で薬が手放せないということであれば、ぜひ当院のカイロプラクティックを試してみてください!!…"。薬に頼らないですむのであればそれが一番では?と思うからこそ、そう訴えたいのです。
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