股関節痛…過去の外傷の影響も?
【症例報告25】

カイロプラクティックこまば
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症例のポイント:過去の別の部位(足)の骨折が股関節周りの筋肉のバランスに影響していた可能性があります。外傷歴も症状改善に向けての大切な情報になるのです。

40代女性。

症状

  • 左股関節の痛み、首の痛みで来院。
  • 股関節の前側の痛みで2か月ほど前から。
  • 最近は左膝や臀部にも痛みが広がってきた。
  • 何もしていなくてもうずく痛みが出てきて来院。
  • 20年ほど前にも同様な痛みが出たが、何となく治った。
  • 数か月前まで車中心の生活でほとんど歩かなかった。
  • 東京に引っ越してきて急によく歩くようになった。
  • 過去には足首や足趾に骨折してギブス固定したことも。

経過

左股関節の可動域検査を行ったところ痛みも伴って可動制限があり、立位で腰を反らすと左股関節前面に痛みが出ていました。股関節周りの筋肉を検査したところ、腸腰筋、中殿筋、内転筋群、大腿筋膜張筋に両側弱化があり、左大腿直筋、左梨状筋も弱いと不安定な状態でした。

弱化筋が改善するポイントを探って行くのですが、過去に足首付近や足趾を骨折したことがあるという問診内容から、そちらに刺激を加えたところ筋力がアップすることが判明し、過去の外傷が筋力の弱化に関わっていることが疑われました(それが全ての原因とは考えていないのですが、ギブス固定をしていたとのことで身体や筋肉の使い方に偏りがあったことが想定され、一つの要因にはなり得ると考察しています…)

また、腰仙部の機能障害の影響で弱化が出ている筋肉があったり、施術後に軽く歩いてもらった後に弱化が戻り回盲弁症候群をチェックしたところ改善したといった筋肉があったりと複数の問題点に対応しながら安定化させていったのですが、左腸腰筋だけは弱化が残ってしまいました。ただ、立位で腰を反らした際の痛みは改善されていましたし、股関節の可動域検査でも可動域は向上していました(若干痛みは残りましたが…)

2回目来院時に伺ったところ、首の痛みは楽になっていたのですが左股関節や臀部の症状は残っていました。股関節の可動域検査では痛みが出ていないと改善傾向もみられましたが、筋力検査では左側の筋肉の一部に弱化が戻っていました。

股関節にドロップを用いるなど変更点もありますが、基本的には継続的に施術を行ったところ、3回目からは改善傾向が見られ、5回目来院時には日常では痛みが出ない状態に改善されていました(ゴルフで体重を掛けると痛みが出たり、動かす時にカクンと引っかかったりといった症状は残っていますが…)。ちなみに4回目には弱化筋がない安定した状態に戻っていたのですが、来院間隔を6週間くらいに開けると少し弱化筋が戻ってきますし、若干痛みが出ることもあるそうです。

股関節は、球関節なので様々な方向に動かせる分、大小様々な筋肉が色々な方向に引っ張り合うことからトラブルが生じやすい部位とも言えます。主動作筋に弱化が生じた場合、共同筋(同様な働きを持っているが作用が弱いこともあって本来はサポートの役割…)をメインにして動きを補完しようとする代償作用が生じますが、その代償が習慣化され、そのひずみが弱い部分に負担を強いるといった問題が生じやすいのです。

このような代償作用はどこかに強い痛みがあったり、土台となる部位(例えば骨盤…)のバランスを崩していたり、骨折等で関節をギブス固定していたりといった場合に生じてきますが、それらの条件がなくなっても習慣化されて一部残ってしまうことがあります。今回の患者さんにそのような崩れた状態があったと言い切れる訳ではありませんが、過去の外傷歴やあまり脚を使っていなかったのに急に使うようになったといった内容から一つの要因にはなっていると考えられました。

過去のギブスが股関節に影響を与えたことをイメージさせるイラスト

※症例の一覧はこちら→症例報告

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