カイロこまば通信 第26回
【2007.11.26 発行】
テーマ:患者さんの声をご紹介します!
患者さんの声とは、当院にてカイロプラクティック治療を経験された方にその感想を寄せてもらえればと思ってお願いしているものです。
同じようなことで悩まれている方に参考になりそうな症状で、主にカイロ治療を終了された患者さんにお願いしています。後日返信して頂く形にしているのですが(もちろん無理強いはしておりません。よろしければというスタンスです…)、ついついお願いすることを忘れてしまって「失敗した~」と後悔することも多いのです(タイミングを逸するとお願いしづらくなってしまうものですよね…、また書いてもらえないかな~)。
今回ご紹介する患者さんは30代女性の方です。
この患者さんの主訴は腰背部痛で、お子さんが大きくなってきてベビーカーにあまり乗らなくなり、長時間抱っこすることが多くなってからとのことでした。妊娠前や出産後しばらくは腰痛がなかったそうで、抱っこによってかかる重みが腰・骨盤の潜在的な問題を顕在化させたのではと思い、姿勢や腰・骨盤の可動性、更には関連する筋肉の筋力低下を探って行きました。
小さいお子さんをお持ちのママさんの場合、しばらく経ったとしても産後の骨盤の問題を無視する訳には行きません(出産に向けてリラキシンというホルモンが骨盤周囲の靭帯を緩めますが、出産後すぐに分泌しなくなる訳ではなく、数ヶ月かけて徐々に減って行きます。その際に腰や骨盤が歪んだまま安定化されることがあるのです…)。前回ご紹介したAK(アプライド・キネシオロジー)の手法も用いながら検査したところ、恥骨結合(下図参照…)に問題が認められました。腰椎にも機能的な問題が認められたこともあり、腰・骨盤を中心にカイロプラクティック治療を行なったところ、4回で終了となりました(とても良好な経過を示した症例と言えます…)。
ちなみに、来院期間中は不妊で悩まれていることを全く知らなかったので、その後頂いたお手紙を読んだ際に何とも言えない喜びが湧き上がってくるのを感じました。
問診の内容から考えると二人目不妊ということになると思うのですが、恥骨結合に問題が認められたことから考えると、出産時の多大なストレスが腰・骨盤に機能的な問題を引き起こし、婦人科系の内臓器を支配する自律神経、或いはホルモン分泌に関わる内臓器自体の働きを阻害していたのかもしれません。
もちろん、今回のカイロプラクティック治療が功を奏して妊娠されたとは限りませんし、どなたにでも当てはまる効果とも思いません。とはいえ、今回の結果はカイロプラクティックが身体の恒常性に良い影響を与えるということを示しています。そして何よりも、患者さんのお役に立てたことが嬉しいのです。
最後にもう一言。"カイロプラクティックが不妊を治す"訳ではありませんので誤解なさらないようお願いします。
カイロプラクティックは身体に働きかけて皆さんが本来持つ治癒力を引き出そうとする手技ですので、婦人化系を含めた内臓器や自律神経の働きが整うようアシストするというアプローチでしかありません。とはいえ、腰・骨盤についてはもちろん、内臓器の解剖学、生理学、病理学的な知識をあわせ持つことが検査させて頂く上での必須条件になるかと思います。もし不妊で悩まれていてカイロプラクティック治療を受けてみたい、或いはお知り合いの方にお勧めになる場合はカイロプラクティック大学(国際基準です…)を卒業されたカイロプラクターの先生がいる院に相談されることをお勧めします。
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