『抑制がかかった状態でトレーニングしても…』
【カイロこまば通信】

カイロこまば通信は、2006年11月から当院入口で配布してきたニュースレターです。様々なテーマで健康情報を発信していますので、ぜひご覧ください。順次掲載して行きます!

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テーマ:抑制がかかった状態でトレーニングしても…

筋肉にかかる神経的な抑制は、タイミングのずれを引き起こすだけでなく、痛みやパフォーマンスの低下といった問題を引き起こします。運動するにしても、ただ闇雲にということでは効果はあがりません。筋肉の状態を把握してから行ってみては如何でしょうか。

前回、筋肉が十分な力を発揮できない要因の一つに神経的な抑制があるというお話をしましたが、少々難しいところなので簡単におさらいを。

ある動作を行うためには、関連する筋肉の収縮と反対の作用の筋肉の弛緩という一連の制御が必要となります。その制御を脳や脊髄レベルが行っていますので、神経を介して筋肉に促通や抑制をかけているということになります。これに姿勢や過去の外傷、偏った筋トレといった要因が加わると、特定の筋肉が緊張しやすくなることで反対の作用の筋肉にかかる抑制も日常的になりがちです。抑制された筋肉を他の筋肉がカバーするといった代償作用が生まれ、それを通常の動きとして記憶の上書きが起こります。メインから外された筋肉はさほど使われなくなることで筋肉自体が弱化してしまうこともあるのです(悪循環ですよね…)

次に、このような慢性的な抑制による影響を考えてみましょう。いくつか気になる点は出てくるのですが、概ね次の2項目がメインというところでしょうか。

  1. 代償作用や更なる姿勢悪化がもたらす新たな痛み
  2. 運動時のパフォーマンス低下

1番についてはこれまでもよくお話して来ていますし、言葉のイメージからも何となく問題があるなと想像してもらえるかと思うので、今回は2番中心で。

「最近メタボリックシンドロームが気になるから…」とウォーキングや筋トレといった運動を始めたとします。これに問題が…ある筈ありませんよね。内臓脂肪を防ぐためにとても良い選択だと思います。ただ、脂肪の燃焼といった生理的な面では効果的だとしても、運動の主要素となる筋骨格への配慮を忘れてはいけません。

ウォーキングをしている男性のイラスト画像

まずは「有酸素運動をしているのに酸素が十分に取り込めていないとしたら…」といった問題から考えて行きましょう。

普段、机に向かって背中を丸めるような座り方をしているとしましょう。肺を守る胸郭(背骨や肋骨から構成されます…)の動きが制限されるので、息を吸う時に働く肋骨に付着する筋肉(胸郭を膨らませます…)の活動が抑制され、首・肩の筋肉を使って胸郭を持ち上げる代償作用が起こりやすくなります(もちろん必ず起きるという訳ではありません…)。代償作用は記憶されますから、運動時でも優位に働いてしまうことで、効率的に酸素を取り込むことが出来なくなることが懸念されます(肋間筋は細かな筋肉ですが、胸郭全体を覆っています。その筋肉が十分に活動できないとしたら脂肪燃焼という面でもどうでしょう…)

それだけではありません。

「腹筋が弱いから鍛えたい!」と思って筋トレをしたとします。ただ、姿勢的な問題から大殿筋というお尻にある筋肉が弱っていて、それに伴って腰の筋肉が過活動しているとしたらどうでしょう。腹筋は腰の筋肉の過緊張の影響で神経的な抑制がかかっているだけなのかもしれません。この状態で腹筋だけを鍛えようとしても効果的なトレーニングとは言えませんよね(この場合、大殿筋も同時に鍛えるべきということになります。もっとも背骨や骨盤の矯正が必要になるケースが多いのですが…)

まだまだ続けます!

走ったり歩いたりする際にはつま先立ちや親指での押し出しが必要となりますが、それに関わる筋肉に神経的な抑制がかかっていたとしたらどうでしょう。効率的な動きが出来ませんから、パフォーマンスがあがるはずがありません。陸上競技のように秒を競うような種目では差が出て来てもおかしくないですよね。

問題点を挙げればきりがないので、今回はこの辺で…。

最後になりますが、せっかく運動するのですから、ぜひ効率的な運動を行えるようにしておきたいものです。筋肉は普段の生活習慣に合わせて変化しますから、動けていると思っても効率的な動作ができているとは限りません。カイロプラクティックは筋肉の働きを全身のバランスから評価して行きます(背骨・骨格だけを評価する訳ではありません…)ので、「効率的な運動ができているのかな?」といった点が気になる方は、ぜひご相談ください。

カイロこまば通信vol22のイメージ画像

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