カイロこまば通信 第40回
【2008.7.14 発行】
テーマ:あなたの呼吸パターンは効率的?
今回は呼吸をテーマにお話して行きます。
呼吸は、生命を維持するために必要となる酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する機能です(当たり前ですが…)。血中に溶け込んだ酸素が組織に運ばれて利用され、その結果排出される二酸化炭素もまた血中に溶け込んで肺に送られます。
その血中の二酸化炭素濃度の変化を化学受容器(体内のセンサーですね…)が感知して脳にある呼吸中枢を刺激し、調節を行っています。調節といっても、肺を膨らませたり、萎ませたりしないといけない訳ですから、横隔膜や肋間筋、斜角筋、腹横筋といった筋肉を働かせているのです。
呼吸は体内の生命活動に関わる自律神経領域の機能ですが、その呼吸を可能としているのは体性神経系(運動や感覚を司る神経です…)の機能です。だからこそ、呼吸を判断する上では筋骨格系の視点を加えることが大切ですし、逆に考えると呼吸筋の機能を正常化させることで自律神経系の領域に変化をもたらすことができるのです。
とはいえ、呼吸を変化させることですぐに直接的な変化が引き起こされるのか…というと難しいかもしれません(内面の変化は目に見えにくいので…)。そのうえ、無意識化で呼吸を変化させるには習慣化させることが大切なので簡単ではありません(本来腹式呼吸が標準なのですが、現代では標準であるべき呼吸法の方が少なくなっているそうです…生活様式の変化やストレスの影響でしょうか…)。
ただ、ガス交換は血中の酸性やアルカリ性への傾きを補正する役割も担っており、各臓器が適正に働くためにも欠くことのできない活動です。また、内臓の各器官の働きは細胞の働きでもあり、その細胞内でエネルギーを作るために必要なのが酸素です(酸素が不足してもエネルギーは作れますが、効率が悪く代謝物質〔乳酸〕も多く作られてしまいます…)。効率よく酸素を取り込むことから得られる恩恵は大きいと言えます。
筋骨格系の観点から見ても、呼吸パターンの異常は関わる筋肉の活動に変化をもたらしますから、肩こりや首・背中の痛みといった症状を改善させるポイントの一つでもあるのです。
このあと、呼吸の異常パターンはどのようなものなのか…(既に推察されているかもしれませんが、胸式呼吸は異常パターンと言えます…)、肩こりや首・背中の痛みにどのように関わっているのか…、カイロプラクティックではどのように呼吸パターンを変化させて行くのか…といった本題を書いて行きたいのですが、残りスペースがなくなってしまいました。なので、今テーマもまたシリーズものとさせて頂きます。続きは次号をお待ちください。
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