カイロこまば通信 第55回
【2009.8.24 発行】
テーマ:動物園に行って…
夏休みももうすぐ終わりなので、こども達をもう少しどこかに連れて行ってあげたいと思い、先日上野動物園に行ってきました。
4歳になったばかりの次女は今回が初めてで、私も久しぶりの動物園。最近は色々と工夫しているという話をテレビ等で見聞きしていたのですが、確かに昔に比べて全体的に綺麗に、楽しめるようになっていました。とはいえ、やはりパンダに会えなかったことは残念で、夏休み終盤の日曜日だと言うのにさほど混んでいないのはその影響かな?と思ってしまいました。
さて、今回はちょっと趣向を変えて、動物園で感じたことをコラム様に書いてみたいと思います。というのは、仕事柄でしょうか、ついつい動物の動きや筋肉に目がいってしまいまして…。
子供の付き添いで何となく…の気分で行った動物園なのですが、まず引き寄せられたのは入口近くにあった象に関する展示でした。象を見ながら「大きいね~」なんて普通に子供と一緒に歩いていたのですが、その近くにあった象の解剖図に目がとまるとそのままストップ。解剖図のなかには上腕二頭筋や上腕三頭筋、大腿四頭筋といった私にとって馴染み深い筋肉の名前や、橈骨神経、尺骨神経、更には坐骨神経といった末梢神経の名前が…。もちろん、鼻筋がとても長かったり、骨盤が肩甲骨と同じような大きさしかなかったりとヒトの構造とは大きく違うのですが、四肢に関してはよく似ていて、動作という点ではどうだろう…と興味が湧いてきたのです(「象にも坐骨神経痛ってあるのかな…」などとどうでも良いことも考えていましたが…)。
まずはゴリラ。四足で歩く時の肩や背中の筋肉の動きがなかなか興味深く、足から背中へと筋肉の隆起が流れてゆくさまは見応えがありました(ヒトが歩いたり走ったりしても、個々の筋肉の躍動は見えても流れるようにはなかなか…)。歩くという単純な動きですが、全身を使う事に慣れた動物だからこそ、動作に合わせて複数の筋肉が連動するようコーディネートされているのだと思います(勝手な推測ですが…)。
帰り際には、飼育員が象の背中を掃除している姿を見ることが出来ました。横に倒れた状態で飼育員が箒で掃くのですが、その後起き上がる動作は圧巻。あれだけ大きく重い身体ですから、立ち上がるのも一苦労と思いきや、反動を使いながら横にロールして四つ這いになり、前足を伸ばして上体を起こすとそこからは片膝をついて、一気に膝を伸ばして起き上がる。前足を伸ばして体重を後足の支点となる骨盤にのせるようなポジションをとっているからでしょうか、後ろから見るとまるでヒトが立ちあがるような動きにも見えました。神経系の反射を利用しながら全身でバランスをとって動作を行う。これは人間も同じ筈ですが、動物の場合は手と脚を別目的で動かすことがなく一連の動きとなるためか、より洗練された動作に映りました。
他の動物にも注目したかったのですが、動きを見やすい大きな動物はどっしりと構えていて、ほとんど動いてくれません。今度は夜の動物園も良いかなと思いながら帰ってきました。
今回は、何を書こうかと迷っているおりに、たまたま動物園に行ったので飛びつく形でテーマにしたというのが実情です。なので、完全な余談になってしまいました。次回は再び人間の話に戻しますので、ご期待ください(今回の所はご勘弁を…)。
※バックナンバー一覧はこちら↓