カイロこまば通信 第56回
【2009.9.28 発行】
テーマ:患者さんの声をもう一度…
今回は先々月に引き続き、患者さんの声をご紹介します。
まずは30代男性Mさんからの声です。
Mさんは長時間座っていなければならない仕事ということもあって、猫背様の姿勢が強く、背骨、特に胸椎部のスプリングが低下していました。背骨の柔軟性の欠如は腰痛や肩こりだけでなく、呼吸器系や消化器系の問題にもつながりますので、注意が必要です。お忙しいこともあって2~3ヶ月に1回ほどの来院となり、確かにその度にスプリングの低下は感じます。でも、ひどくなる前にお身体をメンテナンスすることは良い状態をキープするための秘訣です。お仕事柄なかなか運動も…ということですので、今後ともMさんの健康管理のお手伝いをさせて頂ければと思っております。
次は、30代男性Kさんからの声です。
Kさんは首全体のこりと肩甲間部(左右の肩甲骨の間…)左側の鈍痛を主訴に来院されました。左肩甲間の症状は整形外科で診てもらったところ、肩こりと言われて湿布を出された程度とのことでした。姿勢をチェックしたところ、クレーンネック(首が肩の上方に位置しておらず、前方に出て顎が上を向く姿勢…)で首の付け根となる上部胸椎部のスプリング低下が顕著、また背骨から肩甲骨の距離が左右で異なっていました(背骨の側弯や身体の回旋があるとよく見られます…)。首や肩甲間部には圧痛は認められなかったのですが、肩甲骨周囲の筋肉には筋力低下がいくつか認められました。それらの結果を踏まえてカイロプラクティック治療をしたところ、6回目来院の問診にて痛みやこりが大分よくなっているというお話を伺うことができました。現在は6週間程度の来院間隔で、お身体のメンテナンスをさせて頂いております。
お二人とも姿勢の問題から背骨、特に胸椎部のスプリング低下が顕著となっていました。猫背やクレーンネックと言うように前後方向で背骨の弯曲が強い構造をしている方は、どうしても首や首の付け根付近の関節の動きを悪くし、機能的な問題が生じやすくなります(慢性化すると、痛みや凝りとなって顕在化してきます…)。背骨の問題だからカイロプラクティックで簡単に治るのでは?と思われるかもしれませんが、背骨の構造を変化させるとなると簡単ではありません。構造は成長に伴って形成されてきたものです。骨の形状や筋肉の長さが適応してしまっている可能性もあるのです(慢性の症状の場合は特に…)。それを変えるとなると、日常から姿勢を意識したりエクササイズをしたりと、かなりの努力が必要です。
ただ、構造の問題から負担がかかる部位は分かります。その部位に普段なくなっている動きを改善させることも可能です。構造の問題から蓄積された負担が溢れ出て症状を引き起こす前に、その負担を解放し、未然に防ぐこともカイロプラクティックの大切な役割です。お仕事柄なかなか運動できない、加齢からくる背骨の変化がでている、幼子の育児で日常的に負荷を感じるというような方には定期的なメンテナンスをお勧めします。
※バックナンバー一覧はこちら↓