『筋力検査って、ご存知ですか?…』
【カイロこまば通信】

カイロこまば通信は、2006年11月から当院入口で配布してきたニュースレターです。様々なテーマで健康情報を発信していますので、ぜひご覧ください。順次掲載して行きます!

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テーマ:筋力検査って、ご存知ですか?…

筋バランスを整えるためには、筋バランスを評価することが大切です。評価する上で主要な検査法が筋力検査です。今回は、その筋力検査についてご紹介します。

今回は、前回テーマの補足として、筋バランスをチェックする上でかかせない筋力検査(正しくは徒手筋力検査:以下MMTと記述します。簡単に言うと力くらべです…)について紹介します。

筋力検査(MMT)を体験されたことはありますか?

当院にいらしたことのある患者さんであれば分かって頂けると思うのですが、今までにカイロプラクティックの経験があっても「何のことか分からない…」という方は多いかもしれませんし、体験したことがあっても色々な筋肉のMMTをされたという方は少ないと思います。

もともとは医師・理学療法の検査法として確立されたものですから、整形外科や神経内科といったところで体験されたことがある方もいらっしゃるかもしれません。ただ、病院ですと痛みの誘発をチェックする整形学検査(外傷後などに筋肉が痛いのか関節が痛いのかといった切り分けをするため…)や、神経の働きをチェックする神経学検査(腰椎ヘルニア等で末梢神経絞扼がないかをチェックするといった時…)と合わせて使われることが多いので、当院のように身体のバランスを探るためにMMTを用いることはまずないと思います(リハビリ関連ではあるかもしれませんが…)。カイロプラクティック治療院でも背骨や骨盤への施術や筋弛緩操作で終了となるところは多いので、筋力検査を体験したことがない患者さんは多いと思います(国際基準のカイロプラクターであればMMTを必ず学んでいるので使っているところもあると思いますが、当院ほど利用しているところは少ないかもしれません…)

MMTとは、患者さんの関節運動の強さと重力のみや検査者が加える抵抗力とを比較しながら、筋収縮の視察・触知を踏まえて5段階評価する手法です。具体的には対象となる筋肉を特定して、手や脚をその筋肉が働きやすい検査ポジションに持っていき、検査者とタイミングを合わせながら患者さんに力を入れてもらうことでチェックします。

理学療法でのMMTは"最大の抵抗を加えても最終可動域を保持することができる"とか、"重力の抵抗に対応できる"、"筋収縮が触知できる"といった評価項目で評価しますが(疾患による筋力低下を想定しています…)カイロプラクティックで用いるMMTは、正常に力が出せても左右差があったり瞬発的に力がだせなかったりといった点をチェックしながら、相反拮抗抑制(反対の働きの筋肉の過緊張からくる神経系を介した抑制…)はないか? 背骨・骨盤の前後左右の安定性は大丈夫か? その筋肉を支配する末梢神経がでる脊椎レベルに関節機能障害がないか? といった問題を探る手段として用いられます(神経系を介した力の動員のされ方を評価するといった側面が強いです…)

とても大変そう…と思われるかもしれませんが、一回毎は力の入り方までをチェックして終わらせるので、複数回行っても筋疲労を感じることはほとんどないと思います(徐々に力が入らなくなるとしたら、それもまた筋力低下が潜んでいる可能性を示唆しています…)。また、全ての筋肉を検査する訳ではなく、ポイントとなるいくつかの筋肉をチェックしながら、症状に合わせて対象を増やしています。症状や患者さんの年齢・痛みの状態も考慮しますので、MMTをほとんど行わない場合もあります。

当院がなぜMMTを重視しているかと言うと、アプライド・キネシオロジーというテクニックを用いているということもあるのですが、一般的には正常と言われる範囲内でも細かく見ると筋力低下が潜んでいて、それが身体のバランスに影響し、様々な症状を引き起こす要因になっているからです。日常生活では特に問題なくても、MMTを行ってみると弱化が出てくることもありますし、腰痛のような症状を持っている方で(痛みから力が出せないこともあるのですが)痛みがでないのに力が入らなくてびっくりされる方も多いです(「え、こんなに力が入らなかったんだ…」というように…)

このような隠れた筋力低下を気にするのは、筋肉は骨を動かす役割と安定をもたらす役割を兼ね備えているからです。背骨や骨盤は関節面に沿って動きますが、その面に沿った動きを作り出すのは筋肉です。筋肉にアンバランスがあると関節面に沿った動きを阻害し、関節機能障害を引き起こします。関節機能障害は痛みにつながりますし、関節の安定を損ないます。当院がMMTを使いながら筋バランスをチェックしているのは、このような問題が起こらないよう、予防して行くためでもあるのです。

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