『片脚立ちでバランスチェック…』
【カイロこまば通信】

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テーマ:片脚立ちでバランスチェック…

今回は、片脚立ちでバランスが崩れないかといった検査をご紹介します。歩行時に痛みが出る方や、バランスが悪く感じる方はぜひ試してみてください。

今回は整形学検査を一つご紹介します。

まず、整形学検査とは何かについてですが、症状の鑑別に用いる検査の一つであり、特に関節・筋肉・靭帯などに関わる問題を切り分けるために行います。整形外科やリハビリテーションといった場面で用いられるものですが、カイロプラクティックでも重視しています。特に、首を動かしても脳底動脈への血液の流れに問題ないかを確認するテストは大切ですし、ヘルニアを鑑別するテストもよく用います。

今回は、そのような整形学検査の中の一つであるトレンデレンブルグテストを紹介したいと思います(同名で下肢の血液循環に関わる問題を確認するテストもあるのですが、それとは別ものです。それと分けるためにトレンデレンブルグ徴候ということも多いです…)

詳しくお話する前に、一度試して見てください。鏡の前で片脚ずつ立ってみてください(持ち上げる脚はゆっくりと少し高めに持ち上げてください…)。その際、バランスが崩れて倒れるといけないので、手を伸ばせる位置に支えとなる壁や物がある場所で行ってください必ずです!。身体が持ち上げた脚のほうにすぐに倒れてしまう、持ち上げた脚側に沈み込むように骨盤が傾く、身体を立ち脚側に傾けてバランスをとろうとするといった動作は見られませんか? 左右で比較して、「こちら側はダメかな…」というような差がある場合は陽性です。

いかがでしたか? ちなみにこのテストの陽性は、本来の意味合いで言うと、立ち脚側の中殿筋(お尻の外側に位置する筋肉…)の麻痺を示します(筋肉や股関節の病理的な問題も…)。麻痺と言うと少々驚かれるかもしれませんが、実際のところは中殿筋に筋力低下がある場合でも起こりますし、別の筋肉の問題(大腿筋膜張筋の弱化…)でも起こります。更には、筋肉の弱化を引き起こす仙腸関節や腰椎の機能障害かも知れませんし、足関節かもしれません。バランスが取れないことを考えると小脳の働きに偏りがあるのかもしれません。このテストだけで判断できるものではなく、筋力検査やその他の検査を加えながら切り分けるのですが、大抵の場合は中殿筋や大腿筋膜張筋の筋力低下が出てきますから、そちらを改善させる、そのための問題を探って行くことになります。

では何故、中殿筋や大腿筋膜張筋といった筋肉が弱化すると、トレンデレンブルグ陽性になるのでしょうか。答えは、それらの筋肉が股関節外転筋群だからです。股関節外転筋群は、脚を外側に持ち上げる時に使う筋肉です。が、普通に立っている時は地面につく脚が固定されるため、不安定なのは骨盤となります。骨盤を外側から支える働きに変わるのです。仮に右脚を持ち上げたとすると、持ち上げた右脚の重さで骨盤が沈み込まないよう、左股関節外転筋群が筋肉を収縮させて骨盤を安定させます。その際、筋力低下があると、骨盤を左側から支えることが出来ず、骨盤が右側に沈み込む、或いはバランスを保つために身体を右側に傾けるといった代償作用が生じます。そのような動作があると、トレンデレンブルグ陽性なのです。

トレンデレンブルグテストをイメージしたイラスト

このテストは、歩いている時に腰や脚に痛みが出る、バランスが崩れるといった症状を伺った時に用います。歩くたびに骨盤が傾いたり、不安定になったりするとしたら、それは十分に痛みを引き起こす要因となります。骨盤が傾けば、腰椎はバランスを保つために傾きますし、そうすると関節面に負荷がかかります。歩くたびに負荷がかかる訳ですから、腰痛や脚のしびれといった問題を引き起こしかねません。もっと言えば、骨盤の傾きを背骨全体でカバーする訳ですから、首・肩の痛みに関わってくるかもしれません。もちろん、骨盤の安定は股関節外転筋群だけではなく、前面・背面の筋肉だって重要です。ただ、そのような不安定さを確認する手段として、トレンデレンブルグテストは分かりやすいと思うので、紹介してみました。最後にもう一度注意事項を。テストする時は、必ず手を伸ばせる位置に支えとなる壁や物がある場所で行ってください。絶対ですよ!

カイロこまば通信vol104のイメージ画像

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