カイロこまば通信 第133回
【2016.02.29 発行】
テーマ:日常から神経系の興奮を落ち着かせる…
今回は日常から神経系の興奮を落ち着かせるをテーマにお話します。
症状改善のためには、ご自身の持つ自然治癒力を引き出す必要があります(カイロに限らず、代替医療ではそこに重点を置いています…)。それは施術の場だけの話ではありません。自然治癒力を高めるポイントは、普段の生活の中にもあるのです。とはいえ、治癒力を高めることは簡単ではありません。まずは、治癒力を阻害する要因を減らすことから始めましょう。
阻害要因となり得るものはたくさんあるのですが、まず考えないといけないのが神経系の興奮です(神経系で行き交う刺激が増大することで中枢神経が過剰に反応している状態とします…)。中枢神経は生命維持に関わる様々な機能を司っています。痛覚や圧覚といった感覚刺激も過剰に脳(中枢神経…)に伝われば、自律神経系に影響して体調不良といった問題を引き起こしかねません。不安や怒りといった感情もまた、脳への過剰な神経刺激となって自律神経に働きかけます(仕事での不安が頭から離れず寝付けないとか、もっと単純なところでは、パソコンを長時間使うことで目が疲れて頭痛や吐き気がするといった状態をイメージしてもらえれば分かりやすいと思います…)。また、そのような神経系の興奮は、自律神経のバランスを崩すだけじゃなく、痛みが取れないどころかそれを強めてしまうこともあるので注意が必要です(中脳からの下降性疼痛抑制系が働かなくなることもその要因の一つ…)。
ストレスをなくす、あるいは減らすことが有効な対策となるのですが、現代はストレス社会ですから簡単には行きません。まずは、リラックスして不要な刺激をシャットアウトする時間を作ることが必要です。1日の中に何もしない時間を作ること、今していることに意識を集中させることから始めましょう。
対策は色々ありますが、簡単なところでは目や耳からの刺激をシャットアウトするといった方法があります。目や耳からの刺激は脳幹部にある中脳を刺激します(中脳は交感神経にも関わります…)から、そこからの刺激を減らすことは自律神経のバランスを整えるためにも大切です。お勧めする方法は2つ(よく聞く内容だとは思いますが、大切なのでここでも…)。
- 1日10分間アイマスクと耳栓をして、情報をシャットアウトする。
- 就寝前最低1時間はPCやスマホを使わない。
1番目は、目や耳をたくさん使った後がお勧めなので、職場のお昼休みなどに休憩がてら実践してもらうのが効果的です。2番目は「よく聞くし、たぶんよくないというのは分かっているけれど、つい…」という方が多いのではないでしょうか。これは実際に試してみるのが一番かと思います。1日や2日だと判断し難いので、「まずは1週間止めてみよう!」と決めて実践し、体調の変化を探ってみてください。ほんの少しの変化しか感じられないかもしれません。でも、「何となくすっきり…」とか、「朝がすっきり起きられる…」といった変化も、自律神経に良い影響を及ぼせている証です。体調がよくない時ほど試して頂きたい方法です。
また、マインドフルネスの考え方を取り入れるのも効果的です。「何もしないこと」、「ありのままに感じること」を実践するため、1日10分間ただ座ります。詳しい方法は省略しますが(インターネットで調べて頂ければ色々出てきます…)、注意点として、「何もしないこと」を頑張ることは逆効果ということは知っておいてください。よくある間違いですが、「仕事のことばかり考えてしまうから、それを頭の中から排除しよう!」と意気込んでいるとしたら、それは仕事のことを考えているのと同じです。また、「他のことを考えれば…」と思って別のことを考えたら、それがストレッサーだった…といったことになりかねません。ありのままに「自分の心にこういう動きがあるな…」ということに気付いたり、「こういう感情が湧いてきたな…」ということを客観的に観察して頂ければ良いのです。
神経系の興奮を落ち着かせることは様々な効果を引き出します。ぜひ実践してみてください。
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