症例のポイント:デスクワークといった座位姿勢は骨盤のバランスを崩しやすいです。この患者さんの場合はうつ伏せで骨盤が左回旋しているのが顕著に分かるほどでした。
このような患者さんでした
30代男性。
症状
- 慢性的な症状で、前にもカイロプラクティックに通っていたが、いかなくなってまた出てきた。
- 痛みは左右の仙腸関節付近に出ているが、右が強い。
- 仕事はデスクワークで、座っている時は良いが、立ってしばらくすると痛くなる。
- 前は左脚前外側に常にしびれがあったが、今は座っていると少し出る程度。
- 肩こりや首こり、頭痛もある。
- 運動はウォーキング程度。
経過
左脚前外側にしびれが少し出るとのことから、末梢神経絞扼に関する整形学検査を行ったところ問題なく、痛みの部位から骨盤の問題を疑って検査して行きました。特に顕著だったのは、うつ伏せの時に骨盤が左方向へ回旋した姿勢となっている点でした。座った姿勢での骨盤の動きにも左右の偏りが生じ、骨盤周囲の筋群も右中心に力が上手くいれられない状態が認められました。ただ、太ももの後ろにあるハムストリングスという筋群が骨盤よりも第1腰椎へのTL(セラピーローカリゼーション:AKの検査手法です)で改善することから、そちらの機能障害も改善させる必要がありました。
初回の施術としては、第1腰椎へのアジャストメントと、骨盤の中心にある仙骨へのドロップ、更には骨盤を支えている靭帯に対して調整を行いました。合わせて、座位姿勢へのアドバイスを行いました。また、肩こりに対してはクレーンネックといった姿勢的な問題が強く疑われ、頚椎の可動性向上や筋肉の調整を中心に行っております。
2回目来院時に伺ったところ、右仙腸関節付近の痛みや左脚前外側のしびれはだいぶ良くなったとのことでした。ただ、長時間座っていると痛みは出てくるとのことでした。その後、飛行機で長時間座っていることで痛みが強くなったり、お子さんを長く抱っこしていると痛みが出たりということもありましたが、5回目来院時以降は腰痛は落ち着きました。
なお、肩こり、首こりはしばらくすると戻ってくる傾向にありましたが、頭痛は出なくなり、こりの強さとしても楽になって頂いております。
コメント
この患者さんの場合、うつ伏せになると骨盤が左回旋するといった顕著なアンバランスが認められました。股関節の可動性の問題もあったのですが、まずは仙腸関節、更に骨盤を支えている靭帯の調整を行うことを優先し、初回終了後にはうつ伏せでの回旋は改善されました。筋肉は第1腰椎へのアジャストメントの方が有効だったのですが、腰・骨盤、更には股関節は相互に連動しますので、それらを調整することでトータルとしてバランスさせることが出来ました。
立つと痛いとの訴えもあって、はじめはデスクワーク以外からの影響も考慮したのですが、骨盤のバランスを整えることで痛みが軽減した点、その後飛行機でずっと座っていたことで痛みが戻った点からも座位姿勢から強く影響を受けることが分かり、デスクワークからの影響をどのように排除するかが症状を改善させるポイントととらえて継続的にアプローチしました。
デスクワークが長い方はどうしても腰・骨盤に負担はかかり、慢性腰痛になりやすいですし、肩こりも出やすいです。座位姿勢改善のアドバイスも大切ですし、やはり骨盤のバランスを骨格面、筋バランス面双方から整えておくことは重要です。そのためにも、カイロプラクティックとAKからのアプローチは有効です。気になる方はぜひご相談ください。
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