カイロこまば通信 第19回
【2007.08.13 発行】
テーマ:頭痛のお話、第3回…緊張型頭痛
慢性の頭痛に関するお話の続きですが、今回は緊張型頭痛です。では、緊張型頭痛とはどのような頭痛なのでしょうか。片頭痛との違いを含めて、まずは簡単にご紹介して行きます。
まずは痛み方です。
片頭痛の場合はズキン…ズキン…といった脈打つような痛みを訴える方が多いのですが、緊張型頭痛は頭を締め付けるような痛みです。ズキズキと訴える方("ン"がつくか付かないかがポイント!…)も多いのですが、「頭痛までいかないけど…頭が重いような…」という方も緊張型頭痛の特徴に当てはまります。片頭痛のように吐き気を伴ったり、痛みで日常生活に支障をきたすことはないのですが、首や肩のこりと連動して起きることが多く、「仕事に集中できない…」という声も聞かれます。
では、緊張型頭痛がどのようにして起こるかと言うと、片頭痛や群発頭痛のような血管性ではなく、主に筋肉が関わっています。頭や首、肩の筋肉が不良姿勢や精神的ストレスによって筋緊張を余儀なくされ、筋肉内の血流が低下し、疲労物質の蓄積から痛みが引き起こされます。
一般的な対処法としては、筋肉のこりをほぐすように運動したり、温めたり(血管が拡張して循環が促進されます)、座り方を改善することが推奨されます。精神的ストレスをためないよう、リラックスできる環境を築くことも大切でしょう。
ただ、片頭痛と緊張型頭痛の混合型もありますので、混合型と気付かずに温めると逆効果になりかねません(片頭痛は血管が拡張する際に痛みを出します…)。痛いからといってすぐに鎮痛薬を飲んでいるとしたら、それが原因で慢性頭痛になっているかもしれません。自分の頭痛がどのような性質の頭痛なのかをよく理解しておき、頭痛の要因を予防の観点から一つ一つつぶして行くことが大切なのです。
と、説明してきましたが、頭痛持ちの方であればこの様な知識は当たり前というところでしょうか。なので、ここからはカイロプラクティックの視点から見ると、どういう点が気になるかについて、お話して行きます。
まずは何と言っても背骨がどういう状態にあるかです。
姿勢に問題があって首や肩甲骨周囲のバランスを崩していないか(骨格のバランスが崩れるということは筋肉のバランスも崩れるということです…特に肩甲骨は筋肉が引っ張り合うことで支えられていますから、バランスを見る際の大切な指標なのです…)、バランスの悪化から頚椎に機能障害が起きていないか(その頭痛は頚椎原性頭痛なのかもしれません…)をチェックします。頚椎、胸椎、肩甲骨、鎖骨といった首や肩に直接関係するところはもちろんのこと、腰椎や骨盤のチェックも大切です(「首や肩の筋肉が緊張しないよう姿勢良く座ってください」と言われても、腰や骨盤に問題があればその姿勢を維持できるはずがありません…)。もちろん筋肉の状態も気になりますし、十分に働けていないとするとその筋肉を支配する神経のルートも気になります(神経は背骨の各分節間から出ますので、背骨の機能障害はそのレベルの神経の働きを阻害します…)。
というように、「頭痛の原因は筋肉だから凝っている筋肉をほぐします」と言ったアプローチをしている訳ではありません。ストレスの軽減も兼ねてリラクゼーションの要素を重視されるのであれば当院でのカイロプラクティック治療ではなく、マッサージを受けられた方が満足されるかもしれません。ただ、繰り返しになりますが、予防の観点から頭痛の要因を一つ一つつぶして行くことが大切なのです。筋肉だけでなく、神経系の働きを考慮しつつ、骨格からアプローチして行くこと、それがカイロプラクティックなのです。もちろん緊張型頭痛の原因には精神的ストレスもあります。骨格の問題だけで改善するとは限りません。でも、痛みを引き起こしている筋肉にかかる負担を軽減してあげることで、精神的ストレスといった別の要因から来る痛みの強さや発生頻度を減らすことが出来るのです。だからこそ、カイロプラクティックを試してみて頂きたいのです。
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