カイロこまば通信 第63回
【2010.4.26 発行】
テーマ:当院で行っている検査法のご紹介…(パート2)
今回は前回に続き、検査法(姿勢検査、可動域検査、触診、筋力検査…)の紹介です。
まずは姿勢検査。気にしている点は左右や前後でバランスを崩しているポイントがないかです。主には立位で確認しますが、座位や仰向け、うつ伏せの状態でもチェックします。
例えば、後ろから見て肩の高さに左右差があったとします。骨盤に同様の傾きがあれば中殿筋の弱化が原因かもしれませんし、傾きがなければ広背筋が原因かもしれません。背骨の側弯からかもしれませんし、足のアーチが原因かもしれません。身体が左右に回旋していることが見た目上の傾きを作っているのかもしれません。それらの情報を踏まえながら、次の可動域検査・筋力検査に活かして行くのです。
可動域検査は、脊柱では首と腰を、腕では肩・肘・手関節を、脚では股関節・膝・足関節を症状に合わせて確認して行きます。
例えば腰の可動域検査では、前屈と後ろに反らす、更には横に倒す、身体を回すといった動作を確認します。当院では厳密に角度を測って…という訳ではなく、明瞭な可動域制限や痛みの誘発、左右差の比較といった点を確認しています(施術後の変化を確認するために用いることもあります…)。
次は触診についてです。触診は静的触診と可動触診の2種類を行います。
静的触診は動きの無い状態で触れて、その奥にある組織の状態を探ります。例えば筋肉の硬結や圧痛、背骨や骨盤の配列・傾きなどです。
一方、可動触診は背骨や骨盤の動きを探ります。例えば、左の腸骨が後屈した状態で前方方向への動きが減少しているとか、腰椎4番で右方向への回旋運動が対側に比べて少ないというように判断して行きます。
静的触診は方法や確認内容は違っても様々な療法で用いられますが、可動触診はカイロプラクティックやオステオパシーといった手技療法で確立されたものです。どちらもカイロプラクティックにとって欠かせない検査で、どのような施術をするかに関わります。先ほどの腰椎4番を例にとると、右回旋制限(左回旋変位…)を改善させるため、腰椎4番の左外側部(左乳様突起…)にコンタクトして背側から腹側に瞬発的な力を加えることで腰椎4番に右回旋の動きを加えます。可動触診は、アジャストメント(カイロプラクティックの代名詞とも言える手技です…)で力を加える方向を特定するために必要な検査なのです。
最後は、筋力検査です。この検査では筋肉のパワーを見る訳ではなく、神経系を介しての筋肉の働きを確認しています。左右差を重視しますが、左右とも弱いというケースもあります。弱いだけでなく、筋力がすぐに発揮されない…維持できない…といった点もチェック対象で、神経系を介して抑制がかかっている可能性を考慮します。
また、当院ではアプライド・キネシオロジー(以下、AK…)という検査・治療システムも用いていますが、AKでは身体の様々な機能障害を評価する方法として筋力検査を用います。弱化している筋肉があればそれを改善させるポイントを探り、機能障害が疑われればチャレンジを加えて指標とする正常な筋肉の筋力の変化を確認するといった方法を用います(正常な筋肉なのに筋力が弱くなるとしたらそこに問題が…という見方です)。ちなみに、当院では筋力検査が少々(かなり…?)多くなります。でも、症状のある部位だけでなく全身を評価するには、身体の色々な機能(働き…)を探る必要があります。そのために筋力検査が活用でき、とても良い指標となるのです(初診の治療翌日に「筋肉痛が」という声を聞くことも…。今まで筋肉が上手く使われていなかったためでもあるので、その点ご理解ください…)。
AK独自の検査法や、マッケンジーエクササイズ(椎間板の問題で用いています…)等、他にもまだまだありますが、基本となる検査法はこれくらいなので、検査法紹介は今回をもって終了となります。
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