『末梢神経について…(第1回:頭頚部)』
【カイロこまば通信】

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テーマ:末梢神経について…(第1回:頭頚部)

今回から3回シリーズ(予定ですが…)で末梢神経についてお話して行きます。末梢神経とは何か…、そしてそれらが何で問題となるのか…をご紹介したいと思います。第1回は末梢神経全般の紹介と頭頚部における末梢神経絞扼についてです。

今回からは末梢神経についてお話したいと思います。

末梢神経とはどのようなものかご存知でしょうか。頭蓋骨や背骨に守られた脳や脊髄という中枢神経に対して、脊髄(ここまで中枢神経…)から分かれて脊髄神経として背骨から出て、坐骨神経のようにいくつかが束なって手や脚に伸びて行く神経が末梢神経です。

ちなみに脳から分かれる脳神経(例えば、三叉神経や顔面神経など…)、身体の生理的な働きを調節する自律神経も末梢神経です。たくさんの枝や機能があるのですが、今回は手や脚など身体の各部位の感覚や運動に関わる主要な神経に絞って、頭頚部上肢(腕や手)下肢(脚や足)に分けてご紹介して行きます(3回シリーズを予定していますが、どうなるでしょう…)

なぜ末梢神経をテーマにしたかと言うと、末梢神経はそのルート上の特定部位で絞扼されやすく、圧迫と虚血が絡んで神経症状を引き起こしやすいからです。絞扼されやすい部位としては、解剖学的に狭い部位や、神経が筋肉を貫通する部位神経や血管が通るトンネル部(手根管や足根管…)といった場所です。神経は筋肉のように伸びたり縮んだりする組織ではありません。とはいえ、関節が自由に動けるよう、ある程度までなら前後左右に動くことが可能なのです。ただ、周囲の組織が肥厚したり癒着したりといった要因で神経の自由度が損なわれると、関節の動きが制限されたり、様々な神経症状が引き起こされたりします。

神経症状の特徴としては、しびれ、力が入らない、筋肉が萎縮するといった症状があげられますが、やはり痛みも関わります。その症状がどの神経の支配領域に出ているのか…、弱化筋があればそれはどの神経に支配されている筋肉なのか…、対象となる末梢神経が背骨のどのレベルから出てくるのか…などを把握しながら、絞扼されやすい部位を考えて行くのです。

残りスペースが少なくなっていますが、今回は頭頚部についてお話します(なお、腕や手に向かう神経も頚椎下部から出る脊髄神経が束なって伸びて行くのですが、それは次回に委ね、今回は特に頚椎上部から出てくる神経に絞ってお話します…)

なぜこの部分が問題になるかと言うと、頭痛や首の痛みといった症状に関係が深いだけでなく、横隔膜を支配する神経が出てきたり、交感神経の集まりである交感神経幹(胸椎から出た交感神経が集まって頚部に上ってきます…)があったりと筋骨格系だけでなく身体の恒常性に関わる神経もたくさん通っているからです。頚椎へのカイロプラクティック治療が頭痛や首の痛みだけでなく、内臓の働きや体調全般の改善といった副次的な効果を期待できるのも、そのような神経系の作用があるからなのです。

特に頭痛という点では、この末梢神経の絞扼が大きな原因になります。上部頚椎から出る大後頭神経・第3後頭神経は首の背面にある大きな筋肉(上部僧帽筋…)を貫通しています。猫背のように背中が丸まったり、首が前に突出するような姿勢では、この筋肉は緊張して硬くなる傾向にあります(肩こりです…)。その筋肉の過緊張が貫通する神経を絞扼し、頭痛を引き起こすのです(もちろん原因はこれだけではないですが、意外と多いです…)

後頭部を通っている神経ルートを示したイメージ図

カイロプラクティックは背骨や骨盤を整える手技療法という認識をもたれていると思いますが、狙っているのは神経の働きを整えることです。背骨や骨盤だけが施術対象ではありません。末梢神経のルートを意識して、その絞扼を改善させることもまた大切なポイントなのです。

次回は上肢(腕や手)についてご紹介します。お楽しみに。

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